皆さん、「新潟骨の科学研究所」のウェブサイトを訪れていただき、誠に有難うございます。
本研究所は1999年に開設され、昨年からは島倉剛俊主任研究員と共に新たな活動を開始致しました。
骨形態計測法は骨の動態を見る方法ですが、骨の質に大きな影響を与える代謝回転を測定できます。臨床では、標準部位である腸骨からの生検材料、実験では小動物としてラット・マウスが対象となり、椎骨・脛骨・大腿骨を使ってそれぞれの動態を図ります。また、遺伝子操作などによって起こった骨の変化を定量的に測定したり、マイクロCTとの関連を測定したり、骨の活動には欠くことのできない方法として用いられております。
本研究所は皆さんの研究をこの方法を通じてお手伝いしますので、是非お気軽にご相談下さい。
○歴史 | ||||||
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1960年〜1963年 | 高橋先生が骨形態計測学の創始者であるHarold M. Frost教授のもとで、骨形態計測学を学ぶ | |||||
1964年〜1999年 | 新潟大学整形外科に在任中、骨形態計測学の普及に努める | |||||
1979年 | 現在の日本骨形態計測学会に続く 第1回 骨形態計測ワークショップを開催 | |||||
1999年 | 新潟骨の科学研究所 開設 | |||||
2001年 | 新潟リハビリテーション病院内へ研究所を移動 | |||||
= 研究・臨床・啓発の3つの業務で医療を支えるスタンスとなる = |
骨形態計測学は骨組織の研究の一分野として1950年代から行われている方法です。近年骨の研究は分子生物学からバイオメカニクス、など広くかつ深く進歩していますが、骨組織の動態を直接的に観察する形態計測法は重要な情報を提供しています。骨組織の特徴として、石灰化組織であるため、通常の病理組織検査とは異なる手法で計測が行われます。 骨の採取前にヒトには時刻標識物質であるテトラサイクリン系の薬剤、動物には、さらにカルセインなどを投与し、非脱灰標本を作製した後に普通光、蛍光、偏光での観察と計測を行い、骨組織を定量的に評価します。骨形態計測法では、 骨量、骨梁幅、類骨量、などの静的な数値だけでなく、骨形成速度、骨形成時間、骨吸収時間など形成や吸収に関係する動的なパラメターが算出されます。これらのデータをもとに骨疾患の病態や薬剤の 効果を知ることが可能になります。これまで、計測者が顕微鏡観察を1人で行い、主観的判断が入る可能性があったこと、計測した画像を残せないことが課題に なっていました。そこで今回新しいシステムの導入により、計測視野を複数の計測者が観察でき、同時にモニターで確認できるとともに、計測した内容を保存可能にしました。 また当研究所では、この分野の研究をリードしてきた新潟大学整形外科学教室や新潟大学工学部、多くの実績を持つクレハ分析センター、また海外では骨形態計測の 創始者の一人であるWebster SS Jee教授のユタ大学とも関連しながら、形態計測の発展、普及に努力しています。どうぞ気軽にご連絡ください。
新潟大学 名誉教授
新潟医療福祉大学 名誉学長
1960〜63年、骨形態計測学の創始者であるHarold M. Frost教授のもとで、整形外科レジデンシーとこの骨形態計測学を学びました。その後、新潟大学整形外科に在任中(1964〜99年)、日本において、この骨形態計測学の普及に努めてまいりました。1999年以来、本研究所において臨床例やラット、マウスなどの骨形態計測、最近では骨の微細構造の研究に従事しています。
新潟リハビリテーション病院 院長
1985年に新潟大学医学部を卒業し、その後、整形外科の一般研修、関節外科の専門研修以外に。1992〜94年 には Jee教授のもとでPostdoc Fellowとして、骨形態計測を使用した研究をしました。現在、臨床では関節外科、スポーツ整形外科を専門として活動し、さらに院長として勤務している新潟リハビリテーション病院で骨粗鬆症治療や転倒予防事業も指導しています。
臨床検査技師として超音波検査や病理検査に約15年携わってきました。2007年から本研究所にて、新しい分野として非脱灰硬組織標本及び骨形態計測を担当しております。日々変化する骨の動態について非常に興味を持って計測しています。協力機関での研修に参加し、共同研究も担当しております。
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